「ピカソって本当は絵がすごくうまいんだよね」中学生くらいのころだったでしょうか。
学校の美術の時間に友だちが言ったのを覚えています。
そう、子どもの目から見ると、有名なピカソの絵は、決してうまい絵ではないのです。
でも、青の時代などの作品があることを知ったおませな中学生はそんな風に言ったのでしょう。
けれど、芸術の魅力が本当に理解できるようになってくるのはもっともっと後のことです。
青の時代の落ち着いたトーンの絵も、左右の目が鼻の横に並んだ不思議なバランスの女性像も、そしてゲルニカのような大作も、すべてピカソの魅力です。
ちなみに「ゲルニカ」はパリの国立近代美術館で見られるのですが、その大きさは予想していたよりもはるかに大きく、その迫力はまさに見る者を圧倒するものでした。
しばし画の前に立ち尽くす鑑賞者たちの姿も含めて、大芸術家の力をまざまざと感じた体験でした。
本物の芸術は心に響きます。
忙しく殺伐とした日常の中で、心休まる時間と空間が芸術によってもたらされるなら、それはすばらしいことですよね。